いよいよ東京オリンピック開催まであと1年を切ってきました。
東京オリンピックでは33競技が行われますが、その中でも注目度が高い競技として「マラソン」があげられるのではないでしょうか?
特に女子マラソンは2000年のシドニーオリンピックで高橋尚子選手が日本人として陸上競技で初の金メダルを獲得し、続くアテネ大会でも野口みずき選手が金メダルを獲得しました。他にも上位入賞する選手もいて、日本選手の上位進出、メダル獲得が大きく期待される種目です!
そんなマラソンのオリンピック代表選考では、今回から、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)という新しい試みが実施されています。
MGCが「オリンピック代表を決めるレース」というのは、なんとなくご存知の方も多いかもしれませんが・・
- MGCってどんな大会?いつどこでやるの?
- どういう基準でオリンピック代表を選考するの?
- 出場選手は?そもそも今、日本のマラソン界は誰が強いんだ?
といった疑問を抱いている方もいらっしゃると思います。
そこで今回は
- MGCとはどんな大会かということを解説
- 女子の出場選手を一覧でわかりやすく紹介
- 注目選手や優勝候補として話題の選手の紹介
これらについてまとめていきます。ぜひ、観戦の参考にしてみてくださいね!
Contents
マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)とはどんな大会?
ではまず、「MGCって名前は聞くけど、結局どんな大会なの?」という方のために、MGCの解説です。
MGCの正式名称は「マラソングランドチャンピオンシップ兼2020年東京オリンピック日本代表選考競技会兼103回日本陸上競技選手権大会」
つまり、トラック競技でも行われている、陸上の日本選手権とオリンピック選考会を兼ねており、加えて「MGCシリーズ」と言われる陸連指定の各マラソンの大会の上位者や参加標準記録を突破した選手が出場できる大会なんです。
東京オリンピックの代表になるための条件ルールはこの3つ
- MGC優勝者
- MGCで2位、3位に入った人のうち「MGC派遣設定記録」を突破した最上位者が内定(男女とも該当者なし)
- 「MGC派遣設定記録」を突破した選手がいない場合は2位の選手が自動的に内定。
要するに、今回のMGCでは2位までに入れば、東京オリンピック内定ということになりますね!
日程は2019年9月15日(日)で、女子の部は9:10スタート予定。コースは東京オリンピックのコースとほぼ同じ、明治神宮外苑発着で行われます。
MGCの女子出場選手を紹介!何名が出場するの?
今回のMGCでは、女子の部の出場選手は12名となっています(参考までに男子は31名が参加)。
出場選手の一覧は下記を参照ください。
MGCの女子出場選手一覧
- 安藤友香、福士加代子、一山麻緒(ワコール)
- 松田瑞生、前田彩里(ダイハツ)
- 関根花観、鈴木亜由子(日本郵政グループ)
- 小原怜、前田穂南(天満屋)
- 岩出玲亜(アンダーアーマー)
- 上原美幸(第一生命グループ)
- 野上恵子(十八銀行)
ご覧のように、ワコールやダイハツ、天満屋といった名門チームから複数名がエントリーしています。
一方、かつてオリンピックで入賞を果たした土佐礼子選手や初マラソンの日本記録を作った渋井陽子選手を輩出した三井住友海上の選手がいないのは少し意外でした。
これも世代交代でしょうか?結果が楽しみですね!
女子出場選手12名の中で優勝候補や注目選手は?
それでは各選手の情報を見ながら優勝候補、注目選手を挙げていきたいと思います。
せっかくなので、単純に挙げるだけでなく、記録や最近の活躍など各項目ごとに見ていきましょう!
日本記録保持者は?
現在のマラソン日本記録保持者は野口みずき選手(グローバリー)です。記録は2時間19分12秒。
野口選手の他に過去に2時間20分を切っているのは渋井陽子選手、高橋尚子選手と日本人では3人だけですが・・
残念ながら今回の女子MGC参加選手の中に2時間20分を切る選手はいません。
野口選手と高橋選手はオリンピック金メダリストですから女子で2時間20分を切る、というのは世界トップのレベルということになります。
ちなみに高橋選手の2時間19分46秒は当時(2001年)の世界記録です。余談ですが、2003年には、イギリスのポーラ・ラドクリフ選手によって2時間15分台まで縮められました。
12名の中で自己ベストが一番速い選手は?
それでは自己ベスト上位の選手を見てみましょう!
- 安藤友香選手(ワコール)2時間21分36秒
- 福士加代子選手(ワコール)2時間22分17秒
- 松田瑞生選手(ダイハツ)2時間22分23秒
- 前田彩里選手(ダイハツ)2時間22分48秒秒
- 関根花観選手(日本郵政グループ)2時間23分07秒
以上がMGCエントリー者の自己ベスト上位5名となります。
特徴としては、男子の場合は「この選手が明らかに強い」というのが言えましたが、女子は自己ベストも差がなく、ここ数年のレースでも圧倒的な強さを見せている選手もいないことから、かなりの混戦になると予想されます!
その日の仕上がり具合やレース展開によって順位はかなり左右されるかもしれません。
優勝候補はどの選手?
私は、このMGC女子の部で優勝する選手は松田瑞生選手だと予想します!
その一番の理由は・・ズバリ「勢い」です!!
#ベルリンマラソン #松田瑞生 #ダイハツ
2時間22分台でした。
ありがとうございました。 pic.twitter.com/N7cW0b1pxX— m (@yusan92242705) September 24, 2018
先ほど、各選手の自己ベストを見ていきましたが、松田選手2018年に初マラソン日本歴代3位の2時間22分44秒を出して大阪国際女子マラソンを制しMGC出場権を獲得。
その年の秋にはベルリンで2時間22分23秒と記録を更新し、日本人トップの5位に入っています。
中学、高校でも活躍してきた松田選手ですが、2014年に実業団入りしてからも着実に経験を積み記録を伸ばしています。
今回、絶対的な存在がいない中で松田選手は「自分には勢いがある」「勝てる」と自信を持って臨んでくると思います。
MGC出場権獲得の選考レースにおいて着順1位でゴールしていること、ベルリンでの海外レースでも日本人トップでゴールしていることも「勝つレースの仕方を知っている」と言え、今回もレース展開に左右されにくいと考えられます!
その他の注目選手とその特徴を紹介!
松田選手以外での注目選手として挙げたいのは、自己ベストトップの安藤選手です。
安藤選手は、日本歴代4位となる2時間21分ン36秒を2017年に出しており、強さは頭一つ抜けています。ただ、MGC選考レースの大阪では2時間27分台の3位。現在の調子が気になるところではあります。
あと、私が個人的にダークホースに推したいのが日本郵政グループの関根選手です。
MGC選考レースの名古屋ウィメンズマラソンでは2時間23分07秒、初マラソン日本歴代4位の記録で優勝しました。優勝候補に挙げた松田選手と同じく勢いがあります。
また、10000mでリオ五輪にも出場しており大舞台の経験もあります。
最後に、ベテランの福士選手を挙げたいと思います。
ずば抜けて明るいキャラクターの福士選手ですが、レースとなると本当に粘りの走りを見せてくれます。トラックを含め過去の実績は現役の選手の中ではトップクラス。
2019年の名古屋ウィメンズマラソンでも2時間24分09秒と悪くない記録を出しています。恐らく2時間25分前後が優勝タイムになるのではないかと予想されますので、経験とスピードのある福士選手が勝つ展開も十分に考えられます。
まとめ
今回は、2020年東京オリンピックの代表選考会を兼ねる、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の
- 大会詳細と特徴
- 女子の出場選手一覧
- 注目選手や優勝候補選手について
これらについて書いてきました。
MGCは9月15日(日)に開催され、女子の部は9:10スタート予定です。コースは東京オリンピックのコースとほぼ同じ、明治神宮外苑発着で行われます。
この大会でオリンピック出場、男女2名ずつが内定します!
その中で、女子は12名がこのレースにエントリーしており、タイムによる実力差はなく、かなり拮抗した状態とも言えますが、私は優勝候補として松田瑞生選手を挙げたいと思います!
松田選手は、初マラソンから自己記録を更新し続けていること、記録ももちろんですがMGCの予選シリーズで勝ち、その年の海外レースでも自己ベストを更新し日本人トップとしっかり「自分のレース」ができています。自信を持って臨んでくるでしょう。
そのほかの注目選手としては、エントリー選手の中で自己記録トップの安藤選手、初マラソンで好記録を出してきた関根選手、ベテランの安定感を持つ福士選手です。
当日のコンディションやレース展開によって誰が勝っても不思議ではないレースとなりそうですので、見ている側としては非常に楽しみですね!
東京オリンピックの代表が内定するこのMGCはこれまでにない一発勝負の新しい選考会。どんなレースが見られるのか?そして誰が優勝、オリンピック内定するのか?
注目していきましょう!!